「自分の時間を取り戻そう」実践レポート(その2)行動の記録を取る方法探し
(前回の続きです)
本書では生産性とは「投入した希少価値に対する得られた成果の割合」と定義しています。
そして、本書でターゲットにしているデータは希少価値の一つである「時間」を指標としています。
「時間の家計簿」をつける
本書では、自分の時間を取り戻すための方法が大きく2つ提示されています。
「働く時間を減らす」
「全部やる必要はない」
具体的にはさらに細かいポイントが9つに分けられて説明されています。
そのうち、8つはルール(確立操作)による介入です。
そして一つだけ質の異なるポイントがありました。
それは「時間の家計簿をつけよう」です。
「時間の家計簿」
時間の家計簿とは、自分の生活の中で生産性の低い活動を探すために1週間程度、24時間で何にどれだけの時間をかけているのかを詳細に記録したものです。
「自分は毎月何に使っているのか」
「減らしたい時間と増やしたい時間は何か」
をデータに基づいて考えるために記録をします。
これは、行動分析学でいうところの「ベースラインを取る」ことです。
データに基づいて考えるという点にとても共感できました。
行動の正確な把握と、その後の介入にはデータは必須です。
ただし、この行動の記録を取ることは実は簡単ではないんですよね…
「記録を取るコスト」
仕事柄、自分や他人の行動記録を取っていますが、行動の記録を正確に取る(カウントする)ことはかなり難しく、コスト(労力)がかかります。
本書には、「最近はスマホやタブレットに使いやすいスケジューラーなどもあり、記録を取るのも簡単になっているので~(本書P196)」と書かれています。
また、ありがたいことに時間の家計簿の表(例)も付けてくれています。
「どこまで正確な記録が必要か?」は、「どんなことに記録を用いるのか?」に依って変わるので、人によっては、ある程度大掴みに捉えれば、そこまで精度を高くしなくてもよいのかもしれません。
ですが、この「時間の家計簿」が生産性を高める要でもあるので、いざ記録してみようとして挫折する方もいるかもしれません。
そこで、これから取り組みたい方にも役に立つかもしれないと思い、行動記録を取る方法やツールについての結果をまとめてみました。
【専用用紙に書く】
私は専用用紙をエクセルで作って机のそばに置いていました。バーチカルタイプの手帳もこれに含まれるでしょう。現時点でこの方法は使っていません。部分的に使用するメリットは感じましたが、デメリット部分が自分に合わなかったためです。
【スマホアプリ】
行動記録、習慣、目標達成などのキーワードで検索すれば、たくさんのアプリが出てきます。色々試しましたが、なかなかピッタリくるアプリがありませんでした。
一回は入れたが、使わなくなったアプリ
・超自分管理「リズムケア」:計測に複数タップが必要で面倒だった
・ATrackerデイリータスク:無料版ではタスク登録が5つまでで足りなかった
・HabitHub:「1日〇回」タイプの目標記録には向いているが、時間の記録は不向き
上記は、私の今回の目的に合わなかっただけで、活動内容によってはとても役立つアプリです。これらが向いている方もいるでしょう。実際にご自身で試してみるとよいと思います。
こういった複数のアプリを試すことで、段々と自分の欲しい機能が明確になりました。そして、私にとって最も重要な機能は「予定を立てやすい」「リマインド」「実績記録が簡単」「視覚的で直感的に時間が把握できる」でした。
そして、以下の機能をできるだけ満たすものが理想でした。
<欲しい機能>
・視覚的に一覧できる(24時間)
・極力スクロールしなくて済む
・入力がワンプッシュ(時間補正もしてくれる)
・10個以上の定型タスク名を事前登録できる
・時間やタスクの修正が後からできる。修正が楽
・集計結果をグラフで日時、週次、月次、年次で表現できる
・グラフは線グラフ、円グラフ、棒グラフなどで表現できる
これらを一つのアプリで実行できるアプリを探しましたが、なかなか見つからず、しばらく進捗しなかったんですが、「1つのアプリですべて満たすことにこだわらず、複数アプリでやればいいのでは」と思い付き、現在では2つのアプリで記録しています。
現在使用しているアプリ
<1日予定表>
・24時間の予定を立ててリマインドするアプリ。円グラフで24時間を表現するので、タスクと所要時間が視覚的にわかりやすい。
<トキシル時間管理>
・行動実績を記録するアプリ。タスクをグループごとにカテゴリできること、グラフ表現が多彩、行動記録が比較的簡単(数タップあるので十分ではないが)、増やしたい行動、減らしたい行動という設定がある。
【私の使い方】
①1日予定表アプリで1日の予定を立てます。そうすれば、やるべき時間が来たら1日予定表がリマインドするので、
②それに合わせてトキシルの入力ボタンを押しています。タスクボタンを押せば、それまでの行動記録が自動で止まるので、その点も使い勝手がよいです。
現在、約2週間経過していますが、今のところ記録の取り忘れもなく、かなりの精度で行動の記録が取れています。
この方法にたどり着くまで結構大変でしたが、この経験自体も仕事でも役立つものでしたので、この模索する過程も自分にとって価値あるものでした。これからもよりフィットした方法は模索していきたいと思います。
以上、行動の記録を取るツール探しのレポートでした。
(続く)