障害者雇用×行動分析学 雑記帳

障害者雇用と行動分析学についての雑感です

障害者が就職活動をするときの基本ステップ<就職の準備3>

3.周囲に伝えたいこと、お願いしたいことを整理する

 

発達障害は、一見するとわかりづらい面があります。
障害の特徴が、コミュニケーションや学習、運動、感覚等に出やすく、これらが複数絡んだ結果として、様々な困難さが日常生活において現れるからです。
そのため、周囲の人からすると、困難さの原因が想像しにくく、簡単にできそうなことができなかったり、常識がないように見えたり、突飛な行動に見えたり、怠けているように見えたりします。これは、本人にとっても同じです。


発達障害の知識に関する知識がない。知識を得る機会がなかった
・感覚特性など、自分の感じ方と他の人の感じ方を比べることができない(知ることができない)
・他者の視点に立って、自分の振る舞いを眺めることが苦手
・困難な場面では、混乱が強く、そのときの出来事を覚えてられない(振り返りがしにくい)
・自分の感じ方、考え方、物事の捉え方と他の人のそれとは同じものと思っている(自

 他の違いに関心がない、自他の区別が曖昧、多くの人も自分と同じように感じていると思っている)
などなど

 

以上のようなことから、自分のこといえども自分でも気づきにくい部分があります。

 そのようなときには、周囲の人と本人とで情報のすり合わせを行います。自己評価と他者評価を出し合い、お互いがどう感じているのか、どう考えているのかを比べます。そうして、お互いの違いを明らかにしていきます。

明らかになった自分の特徴について、仕事に支障があるものについては、自分で対処をすること、周囲に協力をお願いすることを分けていきます。

自分でできることとは、聴覚過敏があるならノイズキャンセリングヘッドフォンを使う、白地の紙では見にくいなら、カラーフィルターを紙の上に乗せて読む、人との距離で疲れやすいなら、休憩時間は静かなところで休憩する、忘れやすいなら仕事で使う物は仕事カバンから出さない等。

 ただ、仕事の場合は自分でする対処だけでは解決ないこともあります。
例えば、作業中に人の動きが目に入ると気が散る、職場で出る機械音がつらい、同僚や上司の顔と名前を覚えることが難しい等に対して、デスクの移動やパーテーションの設置、配属先の変更、顔写真入りの座席表づくりなど、会社の協力が必要な対処もあります。

この点は会社側(周囲の人)にはわかりません。会社にしてほしいこととして整理しておき、自分から伝えていきましょう。働きやすい職場環境づくりで欠かせない点です。

(つづく)